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歯の健康

2021.05.11

歯の健康

歯科疾患は、犬・猫にもっともよくみられる問題の一つです。とくに歯周病は放っておくと、口の中だけではなく、全身に影響が及びます。犬の歯は全部で42本、猫の歯は全部で30本あります。猫の場合、飼い主が知らないうちに吸収病巣とう病気により歯がなくなっている場合がよくみられます。小型犬は、歯周病になりやすいので注意が必要です。
※吸収病巣とは・・・歯が溶けて吸収され、その部分の歯の組織が骨に置き換わってしまう病気のこと

 

歯の数や歯の症状を観察することは、デンタルケアの重要な第一歩です。
歯のチェックポイント!
◆口臭
◆噛み合わせ(特に犬)
◆くしゃみ、鼻水(特に犬)・・・くしゃみの8割は歯周病が原因です
◆眼下の腫大、疼痛、排膿
◆食欲不振
◆噛み方
◆歯、歯肉等の疼痛(特に猫)
◆口内炎(特に猫)

 

Point 1
歯垢が歯周病の原因であり、歯石は原因ではない
歯垢は6~8時間、歯石は3~5日で形成される
歯垢はブラッシングなどで除去することができる
歯磨きなどのデンタルケアは少なくとも3日ごとに繰り返し行う

 

Point 2
治療よりも予防が大事
子犬、子猫のうちから歯周予防を

 

Point 3
歯ブラシによるブラッシングが基本
他の方法は補助的に使うようにしましょう

 

Point 4
食事は、少し大きめで噛む回数が多くなるものを選びましょう
ドライフードは缶詰などに比べると歯垢はつきにくい
固いものが良いといっても、骨やひづめ、乾燥皮などはNGです。かえって歯を傷つけるのでひづめなどは与えないようにしましょう

 

Point 5
ミネラルの投与に注意!
歯石形成には、唾液中のカルシウムなどのミネラルが関係しています。歯の修復にも唾
液中のカルシウムやリン酸が利用されています。顎骨の骨密度は、体全体のミネラルバ
ランスに関係しています。不適切なフードやカルシウムやビタミンの過剰添加は、栄養バ
ランスを崩すため注意が必要です。

◎歯磨きの仕方

これまでに歯磨きをしていなかった犬や猫にいきなり歯ブラシを見せて、歯磨きをしようとしてもうまくいきません。ましてや、口を強引におさえてブラッシングするのはお勧めできません。相手の立場になって考えれば分かりますよね。私たち人間でさえ、強引に取り押さえられ歯磨きを強要されたらどんな気持ちになるでしょうか?
また、小さいころから歯磨きの習慣がない犬や猫は強引に歯磨きをしようとすると、怒りますよね。
ではいったい、どうやればいいのでしょうか?

 

GOAL(目標) 犬や猫が楽しんでブラッシングできるようにすること

 

基本ルール
◆ごほうび(おやつ、お散歩、食事)の直前か同時に行う
◆食前でも食後でもOK
◆怒らない、嫌がることはしない。嫌がる前に止めるのがコツ
◆できることから行う
◆喜んでできるようにペースト等の好物を使用する
◆できたら、大げさに褒めてからご褒美をあげる
◆できないときには、ごほうびをあげることを中止する。その後で再トライ

ブラッシングの方法

ステップ1
◆口をあけずに唇をめくるか、触るだけ
◆ごほうびをみせる→マテさせる→口をさわる→ほめてご褒美をあげる

 

ステップ2
◆指にご褒美の味をつけて歯にさわる
◆ごほびを見せる→マテさせる→歯にさわる→ほめてご褒美をあげる

 

ステップ3
◆ごほうびを見せる→マテさせる→ぬれたガーゼ歯ブラシで1秒歯にさわる→ほめてご褒美をあげる(1回だけ)

 

ステップ4
◆口を開けずに、切歯、犬歯から徐々にブラッシングをする
◆ごほうびを見せる→マテさせる→1回につき数秒ブラッシング→褒めてごほうびをあげる→これを繰り返す。ただし、犬や猫が嫌がったらやめる

 

ステップ5
◆犬歯のすぐ後ろから歯の内側をブラッシング
◆ごほうびを見せる→マテさせる→1回につき数秒ブラッシング→褒めてごほうびをあげる→これを繰り返す

 

ステップ6(相当なれていないと難しいので無理に行わないようにしましょう)
◆口を開け、奥の歯の内側までブラッシング
◆ごほうびを見せる→マテさせる→1回につき数秒ブラッシング→褒めてごほうびをあげる→これをくりかえす

 

ステップととに1~2週間程度の時間をかけて、毎日ごほうびをあげるたびに行うことがコツです。ブラッシングの頻度は、しつけの一部として行うことが望ましく、ごはんやご褒美をあげるたびに少しずつ行うようにしましょう。

ペット栄養管理士 東谷みのり

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